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もみじを剪定するコツ

  • 執筆者の写真: Kimie
    Kimie
  • 2018年11月22日
  • 読了時間: 4分

もみじは柔らかく風情ある姿が魅力なので、枯れ枝を取る程度にして自然な形を活かすのが理想です。けれど自然に育てると高さが8~15メートルにもなる高木ですから、自然な枝ぶりのまま大きくなりすぎないように剪定するのはプロでも難しいと言われます。

もみじを剪定するコツは、木がまだ若いうちに下のほうの不要な枝を間引き、枝が太くなってからはなるべく切らないことです。

もみじは、しなやかな枝が上から垂れ下がるような形が美しいので、上のほうの枝を切らないことも形を整えるコツです。


もともとモミジは山の斜面や沢沿いなど、少し湿り気のある土地に生える木で、空気中に湿気がある場所を好み、幹に直射日光が当たるのを嫌います。ですから枝を切りすぎると衰弱することがあり、モミジらしさも損なわれてしまいます。



モミジを剪定する時期


モミジの剪定は、葉が落ちた後に行い、遅くとも年内には終わらせるようにします。モミジは他の落葉樹に比べて休眠期間がかなり短いので、年明けになってから剪定をすると切り口から樹液が出て木が衰弱してしまいます。


夏になると垂直方向へ勢いよく伸びる「徒長枝」が出やすいので、5月~6月上旬くらいに徒長枝を切り落として内部に光が入るように整えます。



モミジの樹形を活かす剪定方法


自然な形にするには、幹が見えるように枝を整理し、頂上部分は自由に伸ばして枝の重みで垂れ下がるようにすることがポイントです。

柔らかな枝先を切り落としてしまわず、先端の細い枝を残すようにするとモミジらしい美しい形になります。

枝を切る場合には不要な枝を付け根部分から切るようにして、枝の途中で切らないようにします。


モミジの枝と葉は左右対称に伸びるので、バランスが悪くなっている枝を付け根から切り落とすと、残った枝に付いている芽から左右対称に枝が伸びていきます。この枝が伸びる方向を予測して、木の形を整えるのがモミジ剪定の難しいところ。


盆栽では「小透かし」という剪定方法で、細かく剪定して形を整えます。

小透かしは、前年と今年に伸びた外周部分の細かい枝の混みあっている部分を木バサミで間引く方法です。楊枝から箸くらいの細い枝、木バサミで軽く切れるくらいの太さの枝だけ切って形を整えます。


大きくなりすぎたモミジを小さくするのであれば、全体が棒状になるくらいに「野透かし」してから幹に保護テープを巻き、4~5年待つと自然な形に戻ってきます。

野透かしは、ノコギリを使って枝ごと切り落とす剪定方法で、枝先は切りません。



根切り


モミジには幹に空洞(ウロ)ができやすいので、枝を切ったら必ず根も切ることが大切です。ウロができるとアリが巣を作り、枯れてしまうこともあります。


「根切り」とは、枝と根のバランスを取るために行います。自然な状態では、地上部の枝の広がりと、地下の根の広がりが同じになるように成長しています。ですから剪定で枝を切った場合には枝と根のバランスが崩れてしまい、根が吸い上げた水や養分を消費しきれずに幹の中で滞るため、木が衰弱します。ウロは、幹の一部が腐って空洞となったものです。


根切りの仕方は、幹の直径の3倍以上、地上部の枝が広がっている部分くらいまでの周囲の土に、5~6箇所スコップを突き刺していくだけです。スコップの刃が地面に隠れるくらいまで深く差し込み、細い根を切っていきます。こうすることで根が余分な水分や養分を吸い上げなくなります。

スコップを突き刺した後には、たっぷり水をかけて足で踏みしめ、地面を整えておきます。



モミジとカエデ


カエデ属の植物を総称して「カエデ」と呼ばれ128種もありますが、その中にイロハモミジ、ヤマモミジなどの「モミジ」が含まれます。

カエデの多くはアジアに自生していますが、ヨーロッパ、北アフリカ、北アメリカにもあり、南半球にあるのは1種類のみです。


日本の代表的なモミジは「イロハモミジ」で、福島県より南の地域で自生しています。

北海道や日本海側の大雪地帯には「ヤマモミジ」が多く自生していますが、ヤマモミジはイロハモミジより葉が大きめです。


メープルシロップを採れる「サトウカエデ」は北アメリカ原産で、これはカナダの国旗の模様としても使われています。高さが30~40メートルにもなる高木で、日本のモミジとは葉の形も少し異なります。


多くは落葉樹ですが、沖縄に自生する「クスノハカエデ」は常緑樹。


葉の形や色によって、様々な園芸品種もあります。

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