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  • 執筆者の写真Kimie

自然農法でトマトを育てる方法

更新日:2018年11月8日


南米アンデス原産のトマトは、強い日差しと、乾燥気味の土地、昼夜の寒暖差が大きな気候を好みます。

湿度が高い日本では、畝を高めにして水はけをよくすること、地面に枯草などのマルチを敷いて湿度を一定に保つことがポイントになります。

品種改良された大きなトマトほど栽培が難しく、初心者でも育てやすいのはミニトマトです。

枝豆やラッカセイと一緒に植えるとトマトがよく育ち、バジルやニラと一緒に植えると病害虫予防になります。


土づくり


堆肥、米ぬか、乾燥鶏糞などの有機肥料を入れた土で育てると甘みのあるトマトになり、肥料分の少ない土で育てると酸味の強いトマトになります。


完熟した堆肥を土に入れると、病害虫を遠ざけ、健康に育ちます。直径40cm、深さ30cmくらいの穴を掘り、1本のトマトにシャベル2杯程度の堆肥を混ぜ込みます。


堆肥が未熟な場合は、11月から種まきの3週間前くらいまでに、乾燥鶏糞、油かす、骨粉を土に混ぜ込んでおきます。


窒素分の多い油かすを土に入れると、茎や葉ばかり成長して実がなりにくくなりますし、病害虫も出やすくなるので避けます。


アブラムシがついていたら、窒素が多すぎるサイン。夏以降にカメムシが多くついていたら、堆肥が未熟なため。


トマトを植える場所は、同じナス科の野菜を4~5年植えていない場所を選ぶと、連作障害で病気にかかるのを防げます。



種まき

 

3月上旬~4月下旬ころ、桜が咲く時期に、直径12cmくらいの小さなプラスチックポットに種を3~4粒まいて、気温が10℃以下にならないようにして苗を育てます。

用土は、完熟堆肥6:小粒赤玉土3:砂1を混ぜたものを使用します。


4月下旬~5月下旬の暖かくなってからなら、畑に直に種まきしても育てられます。間隔を50cmくらい開けて、1か所に4~6粒くらいずつ種をまいて土を3mmくらいの厚さでかけます。


バジルもトマトと同時期に種まきします。


芽が出て本葉が伸びてきたら、トマトもバジルも生育のいいものだけ残して他は地面から切り取って間引きます。この時期に間引かず数本が密着していると、軟弱に育ち、実も少なくなります。



植え付け


4月下旬~5月下旬、本葉が5~6枚になったら、良く晴れた暖かい日を選んで土に定植します。ポット苗を購入して植えてもOKです。植える時には浅めにしたほうが根がつきやすくなります。


トマトだけ植える場合なら50cmくらい間隔を開けて、枝豆やバジルと一緒に植える場合には、間隔を広めにします。


ニラを一緒に植える場合には、トマトの根鉢とニラの根がつくくらい近く植えます。植え付ける穴の底にニラの根を広げて入れ、その上にトマトの苗をのせるように入れると丁度よくなります。

市販のトマト苗で、鉢の中に根が回っている場合には、先端の葉を3枚だけ残して下の葉を取り、根鉢を横向きにして植えると、茎から新しい根が生えてきてよく育ち、病害虫にも強くなります。

苗を植えたら支柱を立てて紐で縛って安定させます。



マルチ


苗の周囲には、半径15cm以内の草を刈り取って地面に敷き詰めておきます。 その後も、生えてきた雑草は刈り取り、トマトの根元に敷いておきます。



コンパニオンプランツ


●バジル・イタリアンパセリ

(パセリは上手く育ちません)

バジルの強い香りによって、トマトに着く害虫を予防でき、トマトもバジルも美味しくなります。


トマトから30cmくらい離して植え、少しトマトの日陰になるくらいにするとバジルの葉が柔らかくなります。


バジルは、植え付けてから、下の方の本葉6枚だけを残して先端は切り落とします。

わき芽は伸ばし、こんもりと茂るように育て、わき芽が10~15cmくらい伸びたら収穫し、大きくなりすぎないようにします。

霜がおりる頃には枯れてくるので、根元で刈り取って地面に敷いておきます。


●ニラ・長ネギ・九条ネギ

ニラの根の周辺で繁殖する微生物が抗生物質を出し、トマトの病原菌を抑制しますので、トマトの根と触れ合うくらい近くに植えます。


ニラはネギ類よりも根が浅く伸びるので、より効果的です。


ニラには肥料も水やりも不要で、どんどん伸びる葉を刈り取って収穫していきます。地面の上から5cmくらい残して切ると、再び葉が伸びてきます。


トマトの収穫後もニラは伸びて収穫でき、掘り上げて別の場所に植え替えたり、大きくなっていれば株分けすることもできます。


●枝豆・落花生

どちらもマメ科の植物なので、空気中の窒素を固定して土を肥沃にし、トマトの生育を促し、実が割れることが少なくなります。


落花生は、ネコブセンチュウなど土の中の害虫を退治します。


植える時はトマトから30cmくらい離して、早生の品種が適しています。











わき芽を摘み取る


最初の花が咲いたら、茎と葉の間から出てくる「わき芽」を切って整え、花と実に養分が行きわたるようにします。

わけ芽は1週間に1度くらいのペースで摘み取っていきます。


・ 大きなトマトは、最初の花房のすぐ下から出てくる「わき芽」の葉を1枚だけ残して先端は切り落とし、幹が1本になるようにします。


・ 中くらいのトマトやミニトマトなら、最初の花房のすぐ下から出る太いわき芽を1本だけ残して伸ばし、幹を2本にして育てていきます。


一つでも花が咲いたら、わき芽は全て葉を一枚だけ残して先端は切り落とします。花房のすぐ下に出てくるわき芽は、根元から摘み取ります。



トマトの収穫


3月下旬に種まきしたバジルは、6月下旬くらいから収穫できるようになります。トマトの生育を妨げないよう、バジルは収穫しながら小さく育てていきます。


6月の梅雨入り頃にはトマトも背が高くなってきますので、支柱を立てて幹や枝を支えます。伸びてくる周囲の草は刈り取って、根元の地面に敷いていきます。


トマトは7月~9月、花が咲いてから40日くらいで完熟しますので、赤くなったものから順番に収穫していきます。

赤く色づいたトマトは、雨が降る前に収穫すると、割れたり味が落ちることがありません。


青いトマトを採ってしまうと、その後に枝葉ばかりが伸びて実がつかなくなります。


一緒に植えたニラやバジルも随時、収穫していきます。


元気に育っているトマトなら9月上旬まで収穫ができ、その頃のトマトが最も美味しくなります。



樹勢診断


8月中に株全体の状態を見て、樹勢によって手入れをしておくと、健康に育ちます。


健康なトマトは、葉から露が出て、葉がすっきりと伸びています。幹と葉の間から出てくるわき芽を摘み取るだけでOKです。

茎が支柱の上まで伸びたら、花房より一つ上の葉を残して、先端部分を切り落とします。花房が5段くらい、幹を2本にしてあるミニトマトなら10段の花房がついている状態にしておきます。


茎が大きく扁平気味になる、頂点が太く曲がっている、わき芽が15cm以上になる、葉が濃い緑色になって内側に丸まる、葉や枝の間隔が狭くなる、花房が貧弱でよじれたりガクだけが伸びる、というのは養分が多すぎる状態です。

わき芽についた葉を2枚だけ残して先端を切り、1週間くらいしたら、わき芽の葉を1枚だけ残して先端を切り落として樹勢を弱めます。


頂点の葉が上向きで巻いている、茎が細い、わき芽が伸びてこない、葉の色が薄い、というのは栄養不足の状態ですので、地面に敷いた草の上から米ぬかをまいて養分を増やしてやります。



種を採る


8月下旬~9月上旬に、種を採るための果実を選んで残しておきます。


食用のトマトは初霜の前に全て収穫し、地面の上から刈り取り、病気の部分は処分し、残りは地面に敷いておきます。


種を採る実は完全に熟してから採り、さらに数日おいて追熟させてから種を採ります。



トマトの収穫後に育てると良い野菜


トマトを刈り取った後には、秋野菜のキャベツ、ブロッコリ、白菜などのアブラナ科の野菜や、ニンニクなどがよく育ちます。


ジャガイモなどのナス科の野菜は、連作障害の恐れがあるので別の場所に植えるようにします。

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