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  • 執筆者の写真Kimie

自然農法でニンジンを育てる方法


アフガニスタン原産のニンジンは、痩せた土地や砂地でも育つ雑草のような野菜です。とはいえ充分な水分と日差しがなければ発芽しにくく、石などが多いと二股に分かれたりします。

ニンジンを育てる時には、発芽の前後に土を乾燥させないことが大切です。肥料よりも水分が大切で、十分な水やりをすることで太く育ちます。


根が短い三寸ニンジンは春まきに向き、根の長い金時、滝野川といった品種なら初夏まき、初秋にまくなら三寸や五寸が適しています。特に三寸ニンジンは生育期間が短いので、栽培が簡単です。


日当たりが不足すると根が太く育ちません。秋に栽培する場合には、太陽の位置が南から低くなることも考慮して、よく日が当たる場所に植えることが大切です。


ニンジンは連作するほうが肌がきれいになりますので、毎年、同じ場所で育てるほうが安定します。


直根で伸びるゴボウと一緒に植えると、競合せず、相性が良く、効率よく育てられます。

枝豆、ほうれん草、カブとも相性が良いので一緒に植えられます。


根が深く張るゴボウとナスやオクラとは相性が悪いので離して植えます。

インゲンやキュウリなどを育て、ネコブセンチュウの被害にあった場所でニンジンを育てると、同じ被害に合いやすくなります。



土づくり


ニンジンが2また、3またに分かれるのは、土に未熟な有機物や石が残っていた証拠です。


同じ場所続けてニンジンを植える場合には、1カ月以上は期間をあけてからにします。


あるいはジャガイモやサツマイモなどの根菜類を植えていた場所で、収穫する時に石などを取り除いた場所にニンジンを植えるようにすると、土がほぐれているので上手く育ちます。


肥料を加える必要はなく、むしろ水をたっぷり与えて土を湿らせておくことが大事です。


砂質の土なら、雨が降った後に種まきをするだけで育てられ、有機物が少ないほうが甘みが増し、肌の美しいニンジンが育ちます。


粘土質の土なら、畝を15cmくらいの高さにして水はけを良くし、土が乾き気味の時期に種まきをします。種をまいた後に強く押さえると、土が締ってしまうので、種まき後は土を薄く被せるだけにします。



種まき


セリ科のニンジンは、間隔を広くとるよりも、密にしたほうが競り合って成長するので、多めの種をまきます。また発芽に光を必要とするため、種をまいたら土は薄くかぶせることがポイントです。


ニンジンの種まきは、雨が降った後の地面が湿っている状態が良く、土が乾いていれば先に水をまいて湿らせておき、種まきした後で上からの水やりはしません。


平らな地面に、5mm間隔くらいで多めの種をばらまきするか、5mm間隔で3~4粒ずつ点まきにして、土は薄くかけ、手で押さえて地面に密着させておきます。


乾きやすい場所なら、種をまいて土をかぶせてから、もみ殻を撒いて押さえておきます。


春~秋にゴボウと一緒に育てる場合には、7月中旬にニンジンの種を50cm間隔で2列にまき、8月下旬にゴボウの種をニンジンの間に15cm間隔、1か所に3粒の点まきにします。


春~夏にゴボウと一緒に育てる場合には、3月下旬にゴボウの種を15cm間隔で1か所3粒ずつまき、4月中旬にニンジンの種をゴボウから20cmくらい離したところに1列、さらに20cm離れた位置に1列という風に2列にまくと、ニンジンがゴボウの日陰になって土が乾きにくいため発芽しやすくなります。



コンパニオン・プランツ



●枝豆(マメ科)

春にニンジンの種まきをする場合に、同時に種まきすると、よく育ちます。
















●ほうれん草(アカザ科)・カブ(アブラナ科)

ニンジン、ゴボウ、どちらとも相性が良く、同時に種まきすると、互いの虫よけにもなります。



発芽


種が乾かなければ、6~10日で発芽します。10日経っても発芽しなければ、もう一度まき直します。


苗が幼い時期に土が乾燥していると、ひげ根が多くなり、太く育ちにくいので、土が乾くようなら水やりをします。



間引き


ゴボウは、本葉が2~3枚になったら間引きます。


ニンジンは、本葉が5~6枚になってから間引きをしても間に合いますが、本葉が10枚になるまでには間引きを終えます。

間引きは3回に分けて、1回目で3cm間隔、2回目で6cm間隔、最後の3回目で12cm間隔くらいにしていきます。


ニンジンは最終的に間隔が10cmくらいになるようにしますが、5cmくらいの間隔で密植させても十分に育ちます。


混みあっている部分から、茎をハサミで切って間引いていき、間引いた葉はサラダやスープに入れて美味しく食べられます。セリに似た香りがあり、ビタミンCが豊富で、野菜ジュースに加えても風味が出ます。


間引きをした時に、土が硬くなっているようなら、軽く削るようにして耕しておくと、適度に酸素が入って生育が良くなります。



マルチ


春に種まきしたニンジン、ゴボウには、刈り取った草を根元に敷いて、土の乾燥を防ぎます。



収穫


根元を少し掘ってみて、十分に太っているものから収穫していきます。

西洋種系の五寸ニンジンなら、太くずんぐりとして、長さ15~20cmくらいになります。


根元を少し掘ってみて、十分に太っているものから収穫していきます。ニンジンの根の上部が直径2cmくらいになっていれば収穫しはじめます。

春に種まきしたニンジンは8月中旬~10月上旬くらいまで、ゴボウは10月中旬~2月下旬まで、随時収穫していきます。


太くなりすぎると、根が割れるので、早めに収穫します。


夏に種まきしたニンジンは11月上旬~2月中旬まで、ゴボウは翌年の5月下旬~6月中旬まで、随時収穫していきます。


ニンジンは気温が18~21℃の頃に最もよく根が育ち、気温16~21℃でよく色が着きます。そして霜に当たる頃から葉の色が濃くなり、一部はうっすらと紅葉してきます。


冬採りニンジンなら、葉が枯れても掘り上げずに、そのまま3月くらいまで畑においておけますので、食べる分だけ収穫して畑で保存ができます。土の表面にニンジンの頭が出ているようなら、土をかけて埋めておきます。

雪の下から収穫したニンジンは、甘みが増しています。


ゴボウは、雨の日の翌日に収穫すると取れやすくなります。または掘る前に水をかけて、土を柔らかくしておきます。片側の土をスコップで根の先まで掘り、ゴボウの根元をつかんで掘った穴の方へ傾けるようにすると、折れずに引き抜くことが出来ます。


収穫したら、すぐに葉を切り落とします。



種取り


ニンジンは、収穫したものを大きい順番に並べてみて、中ほどの形が整ったものを10本くらい選んで斜めに植え直します。


最初に花が咲き始めた1~2本は切り取り、残りの花から種を採ります。




ゴボウも同様に植え直すか、遅くに咲いた花を1~2本残しておいて種を採ります。

翌年には、こぼれ種子からも芽が出ることがあります。


3月下旬に種まきをしたゴボウは、5月下旬に花が咲いて、6月下旬に種が採れます。


7月中旬に種まきしたニンジンなら、翌年の5月上旬頃に花が咲き、6月下旬に種を採れます。


8月下旬に種まきしたゴボウは、翌年の7月下旬に花が咲き、8月下旬に種を採れます。


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