自然農法でキャベツを育てる方法
- Kimie
- 2018年11月8日
- 読了時間: 8分
地中海沿岸が原産のキャベツは、日当たりの良い場所を好みます。またキャベツは長期間にわたって広いスペースを占めるので、十分な広さを確保できる場所が必要です。同じ場所での連作はできないので、トマトや枝豆を収穫した後の場所などは適しています。
ブロッコリー、カリフラワーも同様に栽培できます。

油かす、鶏ふん、生ごみなどの未熟な堆肥を使うと、アブラムシ、ヨトウムシ、ヒメコガネなどの幼虫が増えます。
完熟した堆肥を使い、他の肥料を加えずに育てると、病害虫が少なくなります。
レタスと一緒に育てると、虫の飛来を防ぐことが出来ます。
キャベツ、ブロッコリー、カリフラワーは、秋に植えて、冬までに外側の葉を大きく育てることがコツです。
早生の品種を選べば、夏に種まきをして、年内に結球させることができます。
土づくり
豆類を植えてあった土なら、そのままキャベツの種をまいて育てることが出来ます。
キャベツは肥沃な土地を好むので、新しい土で育てる場合なら、植え付けする1カ月前に、深さ20cm、幅20cmの溝を掘り、シャベル5杯くらいの堆肥を入れて土に混ぜ込んでおきます。
幅90cm、長さ4メートルくらいの畝であれば、間隔を40cmくらい開けて、9個のキャベツを栽培できます。
種まき
キャベツの発芽は早く、種をまいてから3日目くらいには芽が出てきます。
早生のキャベツは7月下旬~8月上旬、ポットに種を2~3粒まき、本葉が出たら1本だけ残して他はハサミで切って間引きます。
ただ気温が高くなる時期に栽培すると、虫の発生が多くなりますので、極早生の品種を選び、2月中旬~3月中旬までに種まきをして、3月中旬~4月中旬までには苗の植え付けを終えて早めに収穫したほうが栽培しやすくなります。
秋まきのキャベツは8月下旬~9月下旬、畑に直に種をまきます。種まきの時期が早すぎると年内に大きくなってしまい、冬の低温で生育が悪くなります。生育の適温は15~20℃。種まきは遅めのほうが害虫の被害を少なくできます。
種をまいてから3~4日で発芽します。
土が乾燥すると成長しませんので、土の上にマルチを敷いておきます。
植え付け
ポットで育てた苗は、本葉が3~4枚になったら地面に植え付けます。
市販の苗を購入する場合には、双葉が残っていて、本葉が3~4枚くらいの若い苗を選びます。
本葉が5~6枚以上になっている苗は、根が茶色くなってポットの中を回っており、植え付けの時に根が傷んで生育が遅くなりがちです。
定植した後で、葉の色が薄い、下の方の葉が黄色く生育が悪い場合には、草マルチの上に完熟堆肥を敷いてから刈り取った草で覆っておきます。
結球してから肥料を与えると、味が悪くなったり、腐りやすくなったり、虫がつきやすくなりますので、肥料を与えるのは苗が若いうちだけにします。
10月に種をまき、11月に苗を植え付け、翌春の4月から収穫する晩秋植えの場合は、本葉が10~12枚で越冬させることがポイントです。本葉の数が少ないと、寒さで枯れてしまいますし、多すぎても霜で傷みやすくなります。
マルチと水やり
苗を植え付けたら周囲の草を刈り取って地面に敷き詰め、その上から米ぬかを一握りまいておきます。米ぬかをまくのは、若い苗を植え付けた時だけにします。
本葉が12枚くらいになりキャベツが結球し始めるまでは、外側の葉から周囲15cmくらいまで刈り草などで覆ってマルチをしておきます。
1週間以上雨が降らない時には、朝夕に葉の上から、たっぷりと水やりをします。水分が不足すると、うまく結球しません。
コンパニオンプランツ
リーフレタス、ソラマメ、春菊、ニンジン、パセリなどと一緒に植えると、キャベツ類の生育が良くなったり、病害虫を予防する効果があります。
ジャガイモとは相性が悪いので、離して植えるようにします。

●リーフレタス・サニーレタス・サラダ菜・サンチュ・春菊(キク科)
モンシロチョウ、コナガ、ヨトウガなどの幼虫は、アブラナ科の野菜を好んで食べますが、レタス、春菊などのキク科の野菜にはつかないので、キャベツと一緒に植えると虫よけの効果があります。
特に色の異なるサニーレタスは、キャベツが目立たなくなって特に効果的。
玉レタスはアブラムシなどに弱いので、結球しないタイプのレタスが向いています。
キャベツを植え付けた時から虫よけをするために、キャベツを植える場所の近くに、キャベツと同時または先にレタスを植え付けしておきます。
キャベツとキャベツの間、あるいはキャベツを取り囲むようにレタスを植えてもOk。ブロッコリー、カリフラワーも同様です。
レタスは種まきから1カ月半くらいで本葉が4枚になり、定植できる大きさになります。

●ソラマメ(マメ科)
11月に苗を植え付けする晩秋植えの場合なら、生育期間が同じソラマメを一緒に育てるのが適しています。
マメ科の野菜は、空気中の窒素を固定して、土を肥沃にします。またソラマメにつくアブラムシがテントウムシなど益虫の住みかとなり、キャベツにアブラムシがつくのを防ぎます。
10月中旬~下旬に、ソラマメの種を1列に30cm間隔で、1箇所2粒ずつまきます。さやに入っていた時のように、同じ方向に揃えてまくと発芽しやすくなります。
ソラマメは、本葉が4~5枚で越冬させるようにします。
春に伸びるわき芽は間引かず、そのままにすると根が張ります。
高さが低いうちに、土を寄せるか支柱を立てて倒れないようにします。

●ニンジン・パセリ(セリ科)
セリ科に特有の香りが、モンシロチョウやコナガの飛来を防ぎます。そしてアブラナ科のキャベツが近くにあると、キアゲハなどがニンジンやパセリに寄って来なくなりますので双方にメリットがあります。
7月中旬~8月上旬に種をまいて、キャベツの苗を植え付ける前に育てておきます。
ニンジンは発芽する時に一定の光を必要とするので、種の上にのせる土は薄くします。その分だけ土が乾燥しやすくなるので、地面を先に湿らせてから種をまき、土をかけてから手でしっかりと押さえておきます。雨の日の翌日や、曇りの日の夕方に種まきをすると丁度よくなります。
10日経っても発芽しないようであれば、再度まきなおします。
セリ科の野菜は、生育の初期に競り合うほうがよく育ちますので、種は多めにまきます。
本葉が2~3枚になったら5cm間隔になるよう間引き、本葉6~7枚になったら10cm間隔に間引き、本葉10枚になったら葉が触れ合わないくらいに間引きます。
間引いたニンジンの葉は、おひたし、サラダ、天ぷらなどにして美味しく食べられます。
間引き
日当たり不足だとキャベツが結球しないので、早めに間引いて日が当たりやすくします。本葉が4~5枚になった頃、一か所に2本を残し、その後の生育状態が良いほうを残して1本だけにします。
間引いた苗は、他の場所に移植して育てることも出来ます。
マルチ
秋に生えてくる雑草は、冬までキャベツの根元を覆うため、刈り取らずに一緒に育てます。
冬の間にキャベツが育ってくるので、根元に枯草などを敷いて霜から守ります。
防虫
10月~11月にはヨトウムシに葉を食べられやすくなります。ヨトウムシは夜に葉を食べるので、葉に食べられた跡があれば、3日くらい続けて、夜間に懐中電灯で葉の裏を照らして捕殺します。
5月上旬と、9月中旬はヨトウムシの産卵期なので、その前の時期には肥料を与えないようにしておくと被害が少なくなります。産卵を見かけたら、卵を地面に払い落としておくと、天敵の虫が幼虫を捕食してくれます。
5月中旬~6月にもヨトウムシが葉を食べるので、葉に食べられた跡があれば、3日くらい続けて、夜間に懐中電灯で葉の裏を照らして捕殺します。
アオムシは時期を問わず現れるので、日中、葉についているところを捕殺します。
早生の品種の場合、夏に栽培するため特に虫が発生しやすくなります。寒冷紗や防虫ネットをかけ、レタスや春菊と混植すると虫の被害を抑えられます。
成長期に芽の先にアブラムシが出るのは、窒素が多すぎるサイン。油かすなどを控えていれば防げます。
7月頃になり、中心部に結球してからは特に虫がつきやすいので、外側の葉に虫に食べられた跡があれば結球部分に被害が及ばないうちに捕殺します。
初夏にクモ、ハチ、カマキリなどが生まれてくると、アオムシなどの被害が少なくなります。
秋に植えたキャベツが、鳥などについばまれて葉脈だけ残るほどになったとしても、春先には新しい葉が出てきて生き返ります。
収穫
種まきをした翌年の6月~7月頃に収穫できるようになります。
キャベツは、結球し始めてから20日くらい経ち、結球部分が硬くなっていたら、外側の葉10枚の付け根の上部、結球の下をナイフで切って収穫します。
ブロッコリー、カリフラワーは中心の花蕾が、こぶし大になったら収穫できます。
ブロッコリーは小さめのうちに収穫すると、わき芽が出てきて、2番目、3番目の花蕾が収穫できますが、カリフラワーはわき芽が伸びません。
一緒に植えたレタスも、外側の葉から取って収穫していき、キャベツが大きくなったら全体を切り取って収穫します。
種取り
キャベツは、中心部分を収穫したあとで、外側の葉を残しておくと、わき芽が伸びてきますので、そのまま育てると蕾がつきますので寒冷紗や防虫ネットをかけておきます。
花が咲いて、さやが黄色くなったら、刈り取って乾燥させ、種を採ります。
種を採らない場合なら、わき芽を間引いて1本だけ残すと、再び結球して小さなキャベツが収穫できます。
ブロッコリー、カリフラワーは、花蕾を採らずに育て続けると、花が咲き、さやができ、種が採れるようになります。
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