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  • 執筆者の写真Kimie

果樹を剪定する時期

果樹や花木は、花芽がつく時期と場所に応じて適切に剪定をしなければ、花が咲かず実もなりません。「柿を切るバカ、梅を切らぬバカ」という言葉があるように、剪定をしたほうがいい果樹と、剪定は控えめのほうがいい果樹があります。


柿の木
柿の木


花芽の付き方により剪定する場所が異なります


秋に葉が落ちる落葉果樹は、春に新しい枝が伸び、6月~9月ころに梢の伸びが止まって、花芽がつきます。ですから6月~9月には水や肥料を少なくして、枝が伸びるのを止めないと花芽がつきません。


花芽がつきやすくするために夏と冬に剪定をしますが、果樹によって花芽のつき方が違うので、花芽の付き方と時期に応じて剪定をしなければ、花芽を切り落としてしまうことになります。


果樹の花芽の付き方には3種類あります。


1.前年に伸びた枝に「花芽だけ」つくもの

桃、梅、ビワ、ブルーベリー、サクランボ、プルーンなど。


前の年に伸びた長い枝と短い枝に、葉芽とは独立して、花芽がつき実がなります。ですから花芽と葉芽が見分けやすい冬なら、花芽を切り落とすことなく安心して剪定ができます。


花芽がつく位置は果樹によって異なりますが、「枝の先端」か、「葉の脇から出た芽」の部分です。


・常緑のビワは、春に出た枝の先端に花芽がつき、11月~2月に花が咲きます。花芽がついた後の剪定で、短く切りすぎると実がなりません。


・ブルーベリーは、前年に出た新しい枝の先端部分と、その下の葉の脇芽に花芽がつきます。葉芽から伸びた短い梢の先端に花芽がつくので、この短い枝を多く残すことがポイントです。


・桃は長い梢にも短い梢にも花芽がつきます。スモモ、アンズ、梅、サクランボ、プルーンは、2年目に葉芽から伸びた「短い枝」に花芽がつきますので、長く伸びた枝を切って、短く細い枝を多く残すようにすると実が多くなります。



2.前年に伸びた枝に「花芽と葉芽」が一緒につくもの

花芽と葉芽が見分けにくく、花芽がどの位置につくかによって剪定する場所も異なります。枝の先端部分に花芽がつく果樹は、冬の剪定で枝先を切ってしまうと実がつきません。


・柑橘類、カリン、マルメロ、柿、栗は、枝の先端部に花芽と葉芽ができます。


・木苺、ザクロ、スグリ、ブドウ、キウイ、ナツメ、グミ、アケビ、ムベ、イチジクは、葉の脇芽から花芽と葉芽がつきます。


3.2年目の枝に、花芽と葉芽ができるもの

リンゴやナシは、1年目に長く伸びた枝には葉芽しかつかず、2年目に先端の葉芽が長く伸び、枝元から伸びた短い枝の先端に花芽と葉芽ができ、実は3年目になります。



冬に剪定をするのは葉が落ちているため作業がしやすいからですが、花芽と葉芽が見分けにくい果樹は、花が咲いてから剪定をするほうが失敗がありません。


剪定の時期


剪定は冬と夏に行いますが、冬の剪定では芽を多く残すようにして、あまり短く切り込まないようにします。



植え付けてから1年目~3年目くらいまでは、新しい梢が勢いよく伸びてきます。この時期に枝を短く切ると、さらに勢いよく枝が伸びて花芽がつきにくくなりますので、不要な枝を間引くような剪定にして、中心の幹と、主要な枝を育てるようにするのがコツです。



落葉樹は葉が落ちている時期に剪定をし、常緑樹は春先に剪定をするのが基本。ただ鉢植えで小さく育てる場合には、5月~6月ころに新しく伸びた梢を整理しておくと、花芽がつきやすくなります。



6月~7月に、勢いよく伸びている梢の先端を切っておくと、枝の伸びが抑えられて養分が蓄えられ、来年の花芽がつきやすくなります。

新しい梢を切った後に、同じ部分から、また勢いよく枝が伸びてくることがあるので、これは早めに切り取っておきます。



初夏から夏にかけては成長が止まって養分を蓄える時期なので、余分な枝葉を切り取り、残す枝葉に十分な日光と養分が行きわたるようにさせるのが、夏の剪定の目的です。




剪定の仕方

まずは不要な枝を切り落として、残す枝や葉に日光が当たりやすくし、風通し良くすることがポイントです。


枝元から切り落としたほうがいい枝

・枝と枝が重なったり交差している部分

・同じ枝から2本、枝が平行に出ている部分

・幹の同じ部分から車輪状に出ている枝

・垂直に勢いよく伸びている徒長枝

・下に垂れ下がるように伸びている枝

・木の内側に向かって伸びている枝


主となる幹から出ている枝に実がなるように、余分な枝は切って整理します。その時に枝が四方へ交互に出ているように整えると、よく日が当たりやすくなります。


中心の幹より太い枝があるとバランスが悪くなるので、太すぎる枝は切り落とします。


枝を切る位置

芽の上で切ると、そこから新しい枝が伸びてきます。枝の内側についている芽の上で切ると新しい枝も内側に向かって伸びてくるので、必ず枝の外側についている芽の上で切ることがポイントです。


果樹は、新しい梢が伸びて、そこに花がつき実がなります。長くなった枝は切り詰めて、常に幹に近い部分から出る「短く細い枝」を残すようにするのが剪定のコツです。



鉢植えの果樹を小さくしようと、枝を短く切りすぎると、残っている芽が勢いよく長く伸びてしまいますし、長く伸びた枝には花芽がつきません。

果樹を小さくする場合には、不要な枝を枝元から切り落として新しい枝に更新するか、伸びすぎた枝は重石をつるしたりテープで引っ張って「横へねじる」ようにしてから切ると、勢いが抑えられて枝が伸びなくなります。


#果樹 #剪定

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